『ルックバック』メッセージは読者の知性に任せられた。(20代女性)
読みながら思い出したのは、『Don't Look Back In Anger』でも、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』でもなく、『ボヘミアン・
インスタ映えは、パッと見た時の第一印象であり、皆がいいねと思ったものが正解だ。今はいいね数の非表示機能もあるけど。『ボヘミアン・ラプソディ』もダイジェストでお送りしている点では同じかもしれない。でも、インスタ映えは反射的思考で、『ボヘミアン・ラプソディ」は反省的思考という違いがある。インスタ映えという概念にはメッセージがない。
『ルックバック』を読んだ私は、アタマより先にカラダが動いた。胸の上のあたりがカッと熱くなって、ぼろぼろこぼれていく涙が止まらなかった。考えるより早く意味を理解できてしまう作品だ。考察をするのは野暮という話でもあるが、一応無理やりそのメッセージ性について考えてみる。
ある事柄によって人生はごく簡単に変わるが、
ネット上で、ただエモいだけの作品だという批判があることを知った。たしかに、登場人物の表情の機微を使った心理描写や、畳みかけるような厚みのあるコマ割り(あるいは風景の切り取り)で、十分にエモさが醸し出されている。
ということを踏まえて。そもそもエモ自体、皆が感覚的に捉えているだけで、
「
そして、何かメッセージを伝えるために、意図を持って構成がなされているのだろうから、上記のような「エモ消費」で終わらせるにはもったいない。メッセージは今、読者の知性に任せられた。読んで何かを感じるも感じないも自分の自由だ。この解放感は気持ち良い。
p.s.気になっていること。「あんた」と「アンタ」の表記ゆれが気になる。何か意図がある?作者の癖?